杉林恭雄『一番星のしずくみたいだ』 [MIWAKUNO-001]
杉林恭雄『一番星のしずくみたいだ』
[MIWAKUNO-001]
販売価格: 2,200円(税込)
商品詳細
★★★ 2020/11/13 リリース!! ★★★
”くじら”の杉林恭雄
初のギター弾き語りソロ・アルバム完成!
2020年、コロナ禍の夏。
ハンディレコーダーを前に
いろいろな場所で弾き語り、録音してきた歌が
1枚のアルバムとなりました。
自然音もそのままに、
フィールドレコーディングの風合いのなか
ひとつひとつの歌が聴く人それぞれの心象風景となって静かに響き渡ります。
■収録曲
01.Garden
02.Shooting Stars
03.雨
04.アカツキ第五旅団
05.海を包んで
06.南部のガイコツ
07.Guitar Shop
08.団地の森
09.運んでください
10.汚れた手のひら
11.一番星のしずくみたいだ
◆ 杉林恭雄『一番星のしずくみたいだ』に寄せて
楠均
さまざまなノイズが聞こえる。
何事も起きていないときに人はこのような音に包まれている。
安らかな寝息のようなノイズに人が一片の歌を添える。
歌の余韻に嵐の音が聞こえるような気がした。
人は嵐のさなかにあってもこのように歌うだろうか。
歌うだろう、と私は思う。
或る日、初冬の空気の冷たさに白色の呟きを洩らした私が、いつのまにか私の父に入れ替わっていた。
その呟きは遠い昔の人のものでもあるだろう。
杉林恭雄の歌は遥か昔の人に想像され、歌われ、励まされた歌だ。
それは未来の嵐の中で身をすくめている子どもたちに、再び歌うことを教えるだろう。
◆ Eden’s Barの明かりが消える頃
杉林恭雄
今日は「エデンの店」のカウンター席に座ってお話させていただいています。
2020年という奇妙な年を、みなさまはどう過ごされたでしょうか?
今年の夏、わたしはハンディレコーダーを色々な場所に置きその前でギターを弾き歌を歌いました。
母の入退院、そして結果的に見送りもありましたのでその合間にできることをしてみようとの気持ちでした。
そんなわけでこのアルバムには歌だけでなく場所や時間の記憶もレコーディングされています。
ひとつだけエピソードをご紹介しましょう。
息子が生まれたばかりの頃、あまりに静かに眠っていると「ちゃんと息してるのかな」
と心配になり何度も顔を近づけたものですが、その夜の母はもう呼吸もままならなく、
わたしと弟で教えていただいたマッサージをしていました。
すると彼女はスウスウと息をし始め、これは嬉しいとわたしは記念に隣の部屋で歌を歌いました。
アルバムの最後の曲「一番星のしずくみたいだ」がそれです。
次の日の朝には彼女はもう息をすることをやめていましたので、この曲は母との最初で最期の共演となりました。
そのほかの曲は、どんな場所で?どんな時間に?
それはみなさまのご想像におまかせしたいと思います。
さて、こんなお話をしているうちにそろそろ「エデンの店」の閉まる時間です。マス
ターが今日最後のアルバムをターンテーブルにのせました。もうすぐ東の地平の最初の
朝の光が、その無垢な輝きで世界を焼き尽くそうと支度を始めるでしょう。
2020年10月21日夜明け少し前に
”くじら”の杉林恭雄
初のギター弾き語りソロ・アルバム完成!
2020年、コロナ禍の夏。
ハンディレコーダーを前に
いろいろな場所で弾き語り、録音してきた歌が
1枚のアルバムとなりました。
自然音もそのままに、
フィールドレコーディングの風合いのなか
ひとつひとつの歌が聴く人それぞれの心象風景となって静かに響き渡ります。
■収録曲
01.Garden
02.Shooting Stars
03.雨
04.アカツキ第五旅団
05.海を包んで
06.南部のガイコツ
07.Guitar Shop
08.団地の森
09.運んでください
10.汚れた手のひら
11.一番星のしずくみたいだ
◆ 杉林恭雄『一番星のしずくみたいだ』に寄せて
楠均
さまざまなノイズが聞こえる。
何事も起きていないときに人はこのような音に包まれている。
安らかな寝息のようなノイズに人が一片の歌を添える。
歌の余韻に嵐の音が聞こえるような気がした。
人は嵐のさなかにあってもこのように歌うだろうか。
歌うだろう、と私は思う。
或る日、初冬の空気の冷たさに白色の呟きを洩らした私が、いつのまにか私の父に入れ替わっていた。
その呟きは遠い昔の人のものでもあるだろう。
杉林恭雄の歌は遥か昔の人に想像され、歌われ、励まされた歌だ。
それは未来の嵐の中で身をすくめている子どもたちに、再び歌うことを教えるだろう。
◆ Eden’s Barの明かりが消える頃
杉林恭雄
今日は「エデンの店」のカウンター席に座ってお話させていただいています。
2020年という奇妙な年を、みなさまはどう過ごされたでしょうか?
今年の夏、わたしはハンディレコーダーを色々な場所に置きその前でギターを弾き歌を歌いました。
母の入退院、そして結果的に見送りもありましたのでその合間にできることをしてみようとの気持ちでした。
そんなわけでこのアルバムには歌だけでなく場所や時間の記憶もレコーディングされています。
ひとつだけエピソードをご紹介しましょう。
息子が生まれたばかりの頃、あまりに静かに眠っていると「ちゃんと息してるのかな」
と心配になり何度も顔を近づけたものですが、その夜の母はもう呼吸もままならなく、
わたしと弟で教えていただいたマッサージをしていました。
すると彼女はスウスウと息をし始め、これは嬉しいとわたしは記念に隣の部屋で歌を歌いました。
アルバムの最後の曲「一番星のしずくみたいだ」がそれです。
次の日の朝には彼女はもう息をすることをやめていましたので、この曲は母との最初で最期の共演となりました。
そのほかの曲は、どんな場所で?どんな時間に?
それはみなさまのご想像におまかせしたいと思います。
さて、こんなお話をしているうちにそろそろ「エデンの店」の閉まる時間です。マス
ターが今日最後のアルバムをターンテーブルにのせました。もうすぐ東の地平の最初の
朝の光が、その無垢な輝きで世界を焼き尽くそうと支度を始めるでしょう。
2020年10月21日夜明け少し前に